京都は3年間住んでいたことがあり、今でもよく行く愛着のある町です。
『京都が観光で滅びる日』。
タイトルから気になり、ぱらぱら読んでいるとおもしろそうだったので購入。
感想をまとめておきたいと思います。
観光行政に関する豆知識を得られる
著者は京都市議会議員の村山祥栄さん。
その立場上、行政に関する話が多くて、観光行政についての豆知識をたくさん得られる本です。
おもしろかったのは次のようなこと。
京都市の観光客数が爆増
「花灯路」と「京の七夕」は年間280万人を動員するメガイベントへと成長した。
5年間で旅館ホテル件数は約100件増、簡易宿所は約2500件増。
(京都市が)JRに強く要望を続け「梅小路京都西」という新駅がつくられた。
京都水族館の近くの新駅、京都市の要望だったんですね!
爆増した背景
爆増した背景には世界的な情勢も大きく関係しているようです。
世界的に海外旅行者そのものが爆発的に増えた。
アジア諸国は経済成長が著しいだけでなく、・・・(人口の)パイも大きい。
爆増したのに税収は増えない
ただし、爆増したのに税収は増えない。
観光行政の現場で「観光客数の伸びと税収の伸びはまったく比例しない」というのは常識である。
中心部マンションの購入層の7割近くは首都圏や海外在住者だと言われ、セカンドハウス(別荘)としての利用が目的であるという。
通常の都市なら15階建てが建つ土地に対し、京都は6階までしか建てられず・・・
観光客が増え、住民が交通機関を利用しづらい、迷惑行為の被害を受けるといった事例が多く載っていました。
ホテルや旅館が増えたため、不動産用の土地が少なくなり、家賃が高騰。
人口流出につながり、税収も減っているとのことです。
意外性がおもしろい本
京都市が財政的に厳しいというのは意外でした。
どんな都市にも裏表はあるなぁって。
この本を読むと、京都へ行くとき観光行政の視点でも景観を考えられると思います。